日 時:2019年2月4日(月)~6日(水)
場 所:奈良春日野国際フォーラム・能楽ホール(奈良市)
テーマ:地域に根ざした産業を観光素材として活用した未来の観光を考える
参加者:行政、観光事業者など観光及び地域づくりに携わる方々及び学術機関等
1日目230名、2日目190名
(海外からの参加:スペイン、タイ、台湾、中央アジア5カ国、他)
平成2月4日から6日の期間で、「地域に根ざした産業を観光素材として活用した未来の観光を考える」をテーマとした国際シンポジウムが、奈良県奈良市で開催されました。このシンポジウムでは、観光と街づくりを一体的に進めて地域の振興・発展に繋げることにより持続的な観光振興を図るという狙いで、「持続可能な開発目標(SDGs)」達成に向けた取り組みとも絡めて、地域の観光における今後の有り方が活発に議論されることが期待されました。
初日は開会式と3つの講演が奈良市の奈良春日野国際フォーラム・能楽ホールで行われ、
約230名が参加しました。UNWTO駐日事務所からは本保芳明代表が開会式において登壇し、その挨拶の中で、文化観光の持続的成長に成功している観光地の事例である奈良県で今回のシンポジウムが開催される意義、および今回の成果が、様々な課題を抱える国内外の地域での今後の持続的な経済の発展に繋がる議論のきっかけになることへの期待を示しました。また、UNWTO本部からは市場動向・競争力部門長のサンドラ・カルバオ氏が講演し、SDGsが掲げる17項目の目標に向けた取組みの重要性を強調しました。
この日の午後はテクニカルビジットとして「清酒発祥の地と酒蔵を巡るツアー」が企画され、海外からの参加者を含む35名が参加しました。また夜に開催された奈良県主催の歓迎レセプションには約200名が参加し、地元の食材を使った料理やお酒の他に、アトラクションとして披露された伝統芸能を楽しみました。
2日目は、同じ会場で日本観光振興協会の久保成人理事長の基調講演の後、地域産業を活用した観光振興に取り組んでいる事業者や観光産業関係者等が参加したパネルディスカションが二つあり、其々のパネリストが紹介する事例や提言に対しこの日参加した190名の聴衆が熱心に耳を傾けていました。またこの間には特別セッションとして、中央アジア5ヵ国(ウスベキスタン、タジキスタン、カザフスタン、トルクメイスタン、キルギス)の観光政策担当者と、奈良県立大学・和歌山大学の学生が参加し意見の交換を行う場面もありました。最後には、全体のまとめとして和歌山大学国際観光センター長の加藤久美教授が登壇し、
今回の開催の意義を強調すると共に、「パートナーシップ、ローカルなアプローチ、質の向上、イノベーション、持続可能性」という5つのキーワードを用いて今回のシンポジウムを総括しました。
また、2日目の夜には観光庁主催フェアウェルレセプションが、平城宮跡歴史公園内にある「平城宮いざない館」で開催されました。また、3日目には奈良の伝統工芸を巡るツアーがあり17名が参加しました。
今回のシンポジウムには、スペイン、タイ、台湾、中央アジア5ヵ国他からの海外参加者があり、期間を通じて奈良での滞在を其々楽しまれていました。