日時:2018年12月3日(月)~12月5日(水)
場所:トルコ・イスタンブール
テーマ:全体の利益のために
主催者:国連世界観光機関(UNWTO)・国際連合教育科学文化機関(UNESCO)
参加者:54カ国 598名
このUNWTOとUNESCOが共催したこの国際会議はトルコ共和国文化観光省の支援を得て開催され、観光と文化の結び付きがもたらす可能性を中心に議論がなされました。会議の中では講演者から、観光分野におけるテクノロジーのトレンドや訪れる観光客のマネージメント手法の報告とともに、文化的な価値を保護しながら訪問者および観光目的地である地域社会に幅広い利益をもたらすためには今後どのように活動していくべきか、などが提議されました。
UNWTOのズラブ・ポロリカシュヴィリ事務局長は開会式の主催者挨拶の中で、「文化は観光が成長するための原動力の1つで、文化遺産を保護しながら持続可能な開発のための観光を促進することも同じ方程式の一部である。」とその関係性を表しました。
30名以上の閣僚が参加し開催された討論会においてもその流れは引き継がれ、観光を振興していくことによって、それぞれの文化遺産がもたらす観光客や地域社会への利益を抑圧しないように、“観光と文化は密接に結びついている不可分一体のもの”との意識を共有して今後の活動を進めていく方向で意見が一致しました。
その後の第1セッションでは、「文化と観光が持つ可能性」に焦点を当てました。各都市がより持続可能で創造的な環境を持つ観光目的地に変わっていくのを助けるなど、観光を有形無形の文化遺産を保護するためのツールに変えることで、その地域の文化観光を強化したり、革新をもたらしたりすることもできると結論付けました。
2日目に2つのセッションでは、責任ある観光と無形文化遺産保護、及びテクノロジーを活用した文化観光の促進について、講演者からの発表や登壇者による討論が行われました。この中で、全ての人が文化に触れる観光をより身近に楽しめるように、文化遺産の管理、促進、保存に向けた改革をあらゆる分野で一層進めていく方向で合意がなされました。 また今回の会議では、UNWTO世界観光倫理憲章への署名式も行われました。トルコの観光業界における持続可能な発展が今後も確実に推進されるよう、そのリーダー的な役割を期待された同国の主要観光事業者5社が選ばれ、壇上で署名を行いました。
このイスタンブールでの会議には、日本から京都市の植村副市長がセッション1に、凸版印刷株式会社情報コミュニケーション事業本部の半田高広課長がセッション3において登壇され、それぞれ「京都市のUNESCO無形文化遺産である祇園祭の継承と実現」、「文化観光におけるバーチャルリアリティーテクノロジーの活用」について発表されました。
会議全体の最後には、次の第4回会議が2019年度に京都で開催される予定であることが発表され、再び壇上に上がった植村副市長が京都市の魅力をプレゼンしながら来年の会議への参加を呼びかけました。(開催時期は只今調整中)
関連ウェブサイト(英語):UNWTO本部ウェブサイト(UNWTO/UNESCO観光と文化の国際会議 於:トルコ