事例概要

　2023年３月国際的な認証団体グリーン・デスティネーションズ（オランダ）が選ぶ「世界の持続可能な観光地」で、愛媛県大洲市が「文化・伝統保全」部門で見事、世界１位となりました。
　大洲城を中心に城下町が広がり、歴史的な建築物が多く残る大洲市ですが、人口減少が進むにつれて空き家が増えていることが課題となっていました。危機感を感じた大洲市は地元の（株）伊予銀行に相談し、空き家を活用することで保全する仕組みを考えました。市内に点在している空き家だった古民家を活用し、分散型ホテルを作り、ホテルの一部をテナントとしてカフェや雑貨店などを誘致することで、エリア内で観光客に長時間滞在してもらいながら、外から来た人にお金を落としてもらう仕組みもつくり、地域の経済も活性化させようとしたのです。
　受賞に当たっては、主体となって動く（一社）キタ・マネジメントの設立、古民家改修を担当する㈱KITAの設立など経済的な循環構造を作った点や、また、観光事業者や住民を巻き込んだ、環境や社会・文化への取り組みなど、さまざまな仕掛け作りが評価されました。